歯科衛生士の私が患者さんと信頼関係を築くために意識している9つのこと

歯科衛生士の私が 患者さんと信頼関係を築くために 意識している9つのこと

メインテナンス患者さんのキャンセルが多かったり、一度だけメインテナンスしてそのあと予約してもらえない…などの悩みはありませんか?

それはもしかしたら患者さんとの信頼関係が築けていないことが原因かもしれません。

「またこの歯科医院に来たい」と思ってもらうには、技術面のスキルだけではなく人としての在り方も重要です。

今回は歯科衛生士の私が患者さんと信頼関係を築くために意識していることをまとめてみたので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

名前を呼ぶ

どの歯科医院でも案内するときに患者さんの名前は呼ぶと思いますが、チェアに誘導してから名前を呼ぶスタッフは一気に減ります。

今まで4件ほど勤務しましたが、どこの歯科医院もそうでした。

理由として考えられるのは、患者さんの誘導ミスさえしなければ問題ないと思っているからだと思います。

もちろんミスを防ぐことも重要ですが、それよりも患者さんを一括りにせず「あなたのことを大切に想っていますよ」という裏メッセージを送ることが大切なのでは…?

そのため私は、個室に入ってからも会話の始めには「〇〇さん」と名前を呼ぶように意識しています。

「この歯科衛生士さんは私の名前を知ってくれている」「覚えてくれている」と患者さんは嬉しい気持ちになると思いますよ。

とはいってもチェアを倒すたびに名前を呼ぶのはちょっとしつこいかも…。

そこで私は、しっかり話を聞いてほしい場面で必ず名前を呼ぶことにしていますよ。

「〇〇さん、今歯ぐきの検査が終わったので結果をお伝えしてもよろしいですか?」
「〇〇さん、すべてのお掃除が終わりました。では今から先ほど撮影した写真を一緒に見ていただきたいと思います」

毎回約45分のメンテナンス中に平均5回は言っています。

前回来院した時から変化がないか伺う

私は患者さんを案内する前に必ず業務記録に目を通します。

最優先で確認するのは注意事項です。

スタッフ全員で共有すべきことは目立つ場所に記載しているので必ず1番最初に確認しておき、自分が担当したときにミスをしないように意識しています。

・ヘルニア持ちなのでチェアの倒しすぎ注意
・カメラ撮影なし

・妊婦

・流産経験あり

・SC禁忌部位あり
・ペースメーカー使用
・耳が遠いので大きな声でしゃべる
・シングルマザー   など

その次に確認するのは、前回の記録です。

・前回の主訴
・痛み、Hysの有無
・治療内容
・TBIの内容
・PCRの数値
・購入品履歴

例えば前回CRをしていたなら「前回は右上の奥歯に白い詰め物をしましたが、あれから問題なく過ごせていますか?」と聞きます。

痛い歯があったなら「前回お痛みがあったようですが、最近はどうですか?」など。

具体的に聞くことで患者さんも自分が前回伝えたことを思い出せますし、「しっかり経過観察してもらえる」という安心感に繋がります。

ハブラシや歯磨剤を購入してくださっていたのなら「前回〇〇を購入していただいたと思うのですが、あれから使ってみましたか?」「使ってみて何か変化ありましたか?」と確認します。

そうすると患者さんは「着色がつきにくくなったよ」「使ってみたけど奥歯は磨くの難しいねぇ」など感想を教えてくれるので、これから行うTBIに活かせます。

もっと時間に余裕があるときは、さらに過去の記録をさかのぼって読み返します。

前回までの記録を把握した状態で患者さんと接すると、気持ちをより理解することができますよ。

感謝・謝罪の気持ちを言葉に出して伝える

「今日は時間通りに来ていただいてありがとうございます。」
「スタッフに差し入れをくださったみたいで…ありがとうございます。」
「前回私が伝えた磨き方で頑張ってお掃除してくださってありがとうございます。」
「この前オススメした歯間ブラシを使ってくれているのですね。嬉しいです」
「忙しい中来ていただいてありがとうございます。」
「お日にち変更していただき、ありがとうございました。」

どんな些細なことも「ありがとう」「嬉しい」と言葉にして直接伝えると、患者さんも笑顔になり信頼関係が出来上がっていくような気がします。

反対に謝罪の気持ちも直接言葉にしています。

「今日は長い時間お待たせしてしまい申し訳ありませんでした」
「今痛かったですよね。ごめんなさい」

作業するときはこまめに声かけをする

歯科衛生士にとってルーティン化した作業はついつい無言で行ってしまいがちですが、患者さんからしてみれば久しぶりのメンテナンスです。

急にエプロンをつけられ、チェアを倒され、顔にタオルをかけられたらとても不安になると思います。

一つひとつの動作を行う前に一言声かけすることを大切にしています。

「エプロンつけますね」
「お背中倒しますね」
「お顔にタオルおかけします」
「椅子を起こしますね」

SCの時もタオルで目元を隠しているので、チップを当てる部位を伝えてから水を出しています。

「左上からお掃除していきますね。お水が出ますよ」
「次は上の前歯のところ、お掃除しますよ」
「奥の水吸いますね」

「伝えてもらえると恐怖心が和らぐ」と、患者さんから実際言われたこともありますよ。

相づちをうつ

患者さんが話をしている時は「はい」「なるほど」「そうなんですね」と返事をしながら相づちをうちます。

「私はあなたの話を聞いていますよ」と相手に伝えるための基本的な姿勢ですよね。

患者さんの目をみて聞く、話す

他事をしながら話を聞かれると不快ですよね。

患者さんが話している時は体ごと患者さんの方に向けて、目をみて聞くようにしています。

しかしずっと見つめすぎると人見知りの患者さんの場合だと逆効果になるので、適度に目線は外します。

私は眉毛や、顎、鎖骨当たりに目線を外したりしますよ。

自分がP検や口腔内写真の説明をするときも記録用紙やパソコンのモニターばかり見つめず、患者さんの目を時折みて話すように気を付けています。

表情を確認することで私の話を本当に理解しているのかも把握できます。

もししっくりきていない顔をしていたら「ここまでで何か質問ありませんか?」と話の途中で質問できるように工夫しています。

患者さんが話している時は最後まで話を聞く。遮らない。

患者さんにも色んなタイプがいますよね。

・話し下手で口数が少ない
・話が回りくどい
・話が長い
・自分語りが好き
・単刀直入にいう

話が長い時は心の中で「次の予約の患者さん待ってるんだけどなぁ…」と正直焦りますよね。

しかし焦る気持ちから、話を遮断したり、めんどくさそうな態度で話を聞くと患者さんはとてもショックを受けてしまい、もしかしたら二度と来院してくれなくなるかもしれません。

どうしてもチェアタイムが限られていてゆっくり話を聞いてあげられない時は、聞くに徹してこちらからは質問を投げかけないようにしています。

しっかり聞き終わった後、ニコッと笑顔で「では、最後に先生に伝えてきますのでお待ちくださいね」などと言い、ササッと立ち去るのが賢明です。

また世間話が長い場合も、しっかり話を聞いてみると患者さんの保健指導に役立つ情報(家族構成、職業、嗜好品)がてんこ盛りだったりしますよ。

何事も無駄だと思っていたらそれまでですが、何かヒントが隠されているかもしれないと思って話を聞くと楽しくなります。

否定しない

例えば高齢の患者さんが「もう人生残り少ないから今更入れ歯はいいわ」とマイナスな発言をしたとしましょう。

歯科衛生士は歯の大切さを知っているからこそ、ついつい「そんなこと言わないでください!歯がないと、ものが嚙めなくなって美味しく食事がとれませんよ…」と熱弁してしまいがちです。

このとき患者さんの心では「そんなこと分かってる」「今まで何回も言われてきた」「若い子には年寄りの気持ちは分からんでしょ」と抵抗する気持ちが生まれているかもしれません。

他にもプラークコントロール不良の患者さんが「今日は歯医者に来る前に歯磨きしてきました」と話してくれたとしましょう。

その時に歯科衛生士が「そうなんですか?でも磨けていませんよ」「歯磨きできてませんよ」といきなり全否定から話し始めてきたら、きっと患者さんはイラッとすると思います。

私は患者さんの話を聞いて違和感を感じても、まずは心の中でいったん受け止め、そのあと否定ではなく肯定的な言葉に変換して返事をするように意識しています。

高齢患者さんの例

 

「もう人生短いと思っているんですね。」とまずは共感。

「入れ歯がなくても快適に過ごされているならそれでもいいかもしれませんね。ただ入れ歯がないまま過ごすとこれからどんな影響がでるかご存知でなかったら一度お話したいのですが…」と情報提供するべきなのか確認。

「知っている」→知っていることを再確認して、それでも現状維持で良いならこれ以上深入りしない

「知らなかった」→情報提供して義歯の装着を考えてきてもらう(無理にその場で即決させない)

プラークコントロール不良の患者さんの例

 

「歯磨きしてきてくださったんですね。ありがとうございます。」とまずは受け止めて感謝。

「前歯の辺りは歯ブラシがよく当たっているようで、とても綺麗にお掃除されていました。」→まずはできているところを伝える

「でも奥歯のほうをみると磨き残しがみられたので、もしかしたらその部分は歯ブラシが上手く当たっていないかもしれないですね。奥歯は歯ブラシを入れにくいので磨きづらいんですよね」→できていないと決めつける言い方ではなく、あくまで歯科衛生士の見解を述べる感じで伝える

丁寧な説明

治療を終えてメインテナンスへ移行した患者さんを初めて担当するとき、3割ぐらいの人は「なんで歯の掃除しなきゃいけないんだろう」「先生に言われたからとりあえず来ましたけど」のように、あんまり納得していないまま歯科医院に来ていることがあります。

それは表情でも分かりますし、私が話をしているときの聞く態度でも感じ取れます。

本当ならば治療終了時に、先生がしっかり丁寧な説明をして患者さんが理解した上でメンテナンスの予約をとることが重要だとは思いますが、忙しいと端的な説明で終わってしまうので患者さんも言われるがままという感じになっています。

そういうとき私は、患者さんがなぜメンテナンスをしなければならないのか理由を明確にして丁寧に説明するようにしています。

・治療は終わったが全体的に歯ぐきからの出血が多い時はPについて説明
・歯石の量が多い場合はう蝕とPの話、歯石は歯ブラシで除去できないことを説明

さらに重要なのは、現状の話だけでなくメインテナンスをしないと将来的にどうなるのかという先の話もします

患者さんは目の前の歯の状態しか見えていないため、1回のメインテナンスで綺麗になると満足して来院しなくなり、歯石がまた溜まってきたり出血したりすると不安になって再来院するパターンが多いです。

これでは本来の歯を守る歯科衛生士の役目ではありませんよね…。

その辺の意識の違いをすり合わせて、継続メインテナンスの必要性をしっかりと伝えています。


以上、私が患者さんと信頼関係を築くために意識していることです。

これらが正解ではないと思いますし、私もまだコミュニケーションをとるのは苦手意識があるのでもっと勉強していかなければいけません。

患者さんと関わりながら「もっとこうすればよくなるかも」「あの時こうしたら良い反応もらえた」と反省したり学んだりしています。日々の経験の積み重ねが何よりの学びだと感じていますよ。

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