私が歯科衛生士専門学生時代に何を学んだのか紹介していきます。
記憶があやふやなところもありますが、3年間で特に印象に残ったことは書いているのでぜひ参考にしていただければと思います。
1年生
座学
1年生の時は教室で先生の講義を受けるのがメインでした。
入学したての頃は歯科の知識がゼロなので、超基本的な専門用語や歯科のルールなどを知るところからスタートです。
また高校では1コマ50分が一般的だと思いますが、専門学校は90分と長くなるので学校の生活リズムに慣れるまで大変です。
教員は歯科衛生士、歯科医師、薬剤師、臨床心理士などの資格をもつ方が担当していることが多いです。
分からないことをどんどん質問しても、しっかり答えてくれたので国家試験の勉強中も安心でした。
科目は専門学校によって多少違いますが、主に歯科関係と体全体のこと、社会人として重要なことが学べるようになっていると思います。
体の仕組みを知っておかないと安全な歯科治療はできません。そのため看護学校のような科目も歯科衛生士は勉強します。
またむし歯や歯周病の原因となる細菌は超重要ワードなので、微生物学では特に歯科に関連する細菌を学びます。
解剖学では献体といって、亡くなった人の骨、筋肉、神経、脳、臓器などを実際に目でみたり、触ったりして学ぶ講義もありました。
本物を知ると教科書のイラストだけではよく分からなかった部分が立体的にイメージできるので解剖学、口腔解剖学の役に立ちました。
薬理学では薬の種類や、服薬してから体に作用するまでの流れを学びます。
歯科医院に来る患者さんの中には何かしらの疾患をもっていて薬を飲んでいる方もいます。
薬の副作用からくる口腔内の異変、薬を服用中の場合の禁忌事項も存在するので薬理学も大切な科目です。
化学
解剖学
生化学
生理学
薬理学
病理学
微生物学
歯科衛生士として働くと毎日たくさんの人と接するようになります。
性格、年齢、性別、職種などが全く違いますが、臨機応変に対応しなければなりません。
コミュニケーションや心理学を学ぶと、仕事中にどんな声かけをするべきかが分かってくるので役に立っています。
情報処理ではパソコンのソフトの使い方を学びました。Excel、PowerPointなど…。
職場で掲示物を作成したり、物販のデザインを考えるときにパソコンを使えた方が楽なので(笑)覚えておいて損はないです。
健康社会学
英語
心理学
福祉概論
情報処理
接遇・コミュニケーション
講義のメインは歯です。
特に歯科衛生士は、主要3科目(予防処置、保健指導、診療補助)を理解してこそ仕事として成り立つので1番時間をかけて学びます。
歯ブラシや歯磨きの種類、治療中に使う道具などをとにかく暗記して覚えていきます。
歯科材料学では、被せ物や詰め物を歯につけるための接着剤のようなものや、殺菌作用のある薬があるので全部覚えます。(私はこの科目嫌いでした…)
最近は高齢社会なので高齢者に特化した高齢者歯科も学ぶ学校が増えていたり、食育が重要視されているので乳幼児の口腔管理についても関心が高まっているようです。
口腔解剖学
口腔生理学
口腔衛生学
歯科衛生士概論
歯科臨床概論(補綴、保存、小児、矯正、口腔外科、放射線、高齢者、障がい者、歯周療法、歯内療法)
歯科予防処置論
歯科保健指導論
歯科診療補助論
歯科材料学
介護技術学
多くの科目がありますが、これらを3年かけて学んでいきます。
1年生のときから全て行うのではなく、2年生になってからスタートする科目があるので頭の中がパンクするようなことはないと思います。
主要3科目の実習
学校には歯科医院の診療室を再現したような部屋が存在します。
たくさんのチェアが並べられていて、生徒が実習できるようになっています。
最初はチェアの動かし方、基本セットの使い方など基本的なところから覚えます。
慣れてくると生徒でペアを組み、水が出る機械を使って掃除(スケーリング)したり歯の型取りをしたりします。
実際に手を動かすと難しくてできないんですよね…。
実習内容によっては確認テストがあり、合格しないと進級できないので皆必死に練習していましたよ。
資格取得
介護初任者研修の資格取得をしました。
これは受講するかしないかは任意でしたがクラスの9割が受講。
学校ではなく外部の研修施設へ行き、そこで講義と実習をして最後にテストを受けて認定証がもらえました。
交通機関を使って移動するので家が遠い子は通うのが大変そうでした…。
2年生
座学
2年生でも引き続き座学があります。
1年生のところで紹介した科目を学んでいましたよ。
主要3科目の実習
小学校へ行き、小学生にフッ素塗布をする実習がありました。
またそのあとは教室に行き、子どもたちの歯を赤く染め出して汚れチェックしたり、むし歯について話しをする時間もあったので保健指導用のイラストを製作したりしました。
2年生の後期からは臨床実習がスタートするので学校での実習は少しずつ減っていきます。
臨床実習
後期から週4日間の臨床実習が始まります。
朝9時から17時まで歯科診療所で歯科助手のような立場になって実習させてもらうのです。
ドクターの治療中にバキュームを持ったり、治療で使う道具の準備をしたり、器具の洗浄や片づけをしたり。
まるでバイトのようですがお給料は一切出ません(笑)
その日見た治療内容やどんな学びがあったのかを日誌に書かなければいけませんが、私は夕方からバイトをしていたので深夜に眠い目をこすりながら書いていた記憶があります…。
3年生
臨床実習
私は大学病院の歯科で実習を受けたので、小児や矯正、口腔外科、障がい者などの専門性のある科も深く学ぶことができました。
学校によっては一般の開業医で実習する場合もあるようですが、歯科医院によっては矯正を全くしていなかったり、子どもが全然来ないようなところもあります。
自分が学びたい分野に強い歯科医院を選んで実習すると勉強になりますよ!
資格取得
歯科医療事務の資格取得をしました。
医療事務の資格があれば受付の仕事がスムーズにできます。
学校に講師の方がきてくれるので講義を受けるだけでしたが、臨床実習の合間に試験勉強するのが地味につらかったです。
主要3科目の実習
TEKを作った記憶はありますが、他は忘れてしまいました(すみません…)
卒業研究
論文とまではいきませんが、1つテーマを決めて研究結果を発表しなければいけませんでした。
「ブラッシング指導によるPCRの変化」「歯磨剤のフッ素濃度の違いによる効果」など保健指導で使えそうな研究テーマが人気でした。
1人で研究できるものは少ないので、友達や家族に協力してもらう人が多かったですよ。
国家試験対策の座学
夏休みを過ぎると歯科衛生士国家試験対策が始まりました。
過去問をたくさん解いて、先生が解説して…というのをひたすら繰り返します。
定期的に模擬試験も受けるので、合格圏内なのか分かりますし、全国順位も出ます。
対策期間中は放課後も学校に残って勉強する生徒が多かったですよ。
歯科衛生士専門学校で学べること
一言でまとめてしまえば、歯のプロフェッショナルになれる場所です。
違う言い方をしてしまうと、歯以外のことはほとんど学べない…。
本気で歯科衛生士になりたい人にはオススメできる学校ですが、「親に言われて…」とか「なんとなく」で選んでしまうと後悔する可能性が高いです。
卒業して就職したもののやっぱり辞めたい…となった時に、歯科衛生士の場合なかなか他の職種に移りにくいので、よ~く将来のことを考えて決めるといいですよ♪