統合失調症の人への適切な接し方

統合失調症の人との接し方

私の姉は現在30歳。20歳の時に統合失調症と診断されて約10年が経ちました。

姉が発症したとき、私は中学3年生でした。

発症当時は様子がおかしくなっていく姉に戸惑い、将来どうなってしまうのかという漠然とした不安を抱えていました。

しかし今私は26歳になり、実家を離れて自分の家庭をもち自立して生きることができ、過去の出来事を冷静に振り返られるようになってきたので、ブログで少しずつ統合失調症について書いていこうと決めました。

最近は精神疾患を公表する著名人やインフルエンサーが増えた影響もあり、偏見や差別が少なくなってきているように感じます。

また精神科へのイメージも変わってきているようで、心身の不調を感じたらすぐに受診する方が増えているそうです。

統合失調症は有病率が1%といわれており、100人に1人の割合で罹患しているので決して珍しい病気ではないのです。

受診率が高くなったことで今後統合失調症と診断される方も増えるかもしれませんが、目の前に統合失調症の人が現れたら、あなたはどう関わっていけばよいか戸惑うでしょう…。

私も15歳~20歳の5年間姉と実家で過ごしていましたが、どう接すればよいのか分からないことが多かったです。

でも姉の病気のことを理解したくて専門書を読んで勉強してきました。

また今はカウンセラーの資格取得のためにカウンセリングについても学んでいます。

それらの経験から、今回は統合失調症の人との適切な接し方についてまとめました。

否定せず、気持ちに寄り添う

統合失調症になると幻聴や妄想の症状がでます。

「部屋に監視カメラが取り付けられている」「誰かが私を見張っている」「死ねと誰かが言っている」「私は薬物をやったから警察に捕まる」などと、急に変なことを言い出しますが、決して否定してはいけません

「見張られているんだね。怖いね。」

「死ねっていう声が聞こえるんだね。辛いね」

「薬物をやって警察に捕まると思ってるんだね」

当事者の語る言葉を伝え返し、気持ちに寄り添ってあげましょう。

根掘り葉掘り聞いたり、事柄の問題解決はしなくていいのです。(妄想なので解決できないことの方が多いです)

むしろ聞けば聞くほど混乱したり興奮してきてしまいます。


ゆっくり、丁寧に話す

統合失調症は精神状態の波が激しく、安定している時期と重篤な時期があります。

重篤な時は正常なコミュニケーションが取れなくなってしまうので、早口で話しても意味が伝わらないことが多いです。

相手に伝わるように、ゆっくりと丁寧に話しかけてあげるとよいでしょう。

話を最後まで聴く

意識がぼぉ~としていたり、妄想でおかしい時は少しずつ言葉を絞り出すように話し始めたりします。

声が小さかったり、滑舌が悪くなってしまい、何を言っているのか聞こえないこともありますが、途中で口を挟まず話し終えるまで聴いてあげましょう

またこのときに「聞こえないよ!」「ちゃんと喋れないの?」などと批判したり追い詰めないであげてくださいね。

難しい話をしない

私の姉は発症する前は勉学が大好きで成績優秀者でした。

分厚いハリーポッターの小説も黙々と読むような人でしたが、発症後は読書ができなくなりました。

小説のような複雑なストーリーが理解できなくなったためです。

日常会話でも難しい単語を多用したり、一度に多くの情報を伝えると混乱するので、分かりやすい言葉で伝えています。

例えば、1日のスケジュールを話したいときは、全部一気に話すより、今から行うことを1つだけ伝えて、その用件が済んでから、次行うことを伝えるなどしたほうがよいです。


自分の気持ちをシンプルに伝える

統合失調症には様々なタイプがありますが、その中の一つに繊細で人の目を気にしすぎるタイプがいます。

そういった方たちは常日頃「相手を傷つけるようなことを言っていないかな」「不快な思いにさせていないかな」と相手のことをとても気にしながら生きています。

私と姉の例を出しますが…

会う約束をしていた日に姉に急用が入ったため、遊べなくなった時のことです。

私は遊べなくなったことなんて全く気にしていなかったのですが、姉はずっと「申し訳ない…」と罪悪感でいっぱいになり、暗い気持ちで過ごしていたことがありました。

私の姉はものごとを深読みしすぎて自己嫌悪に陥ることが多いので、それ以来私は自分の気持ちを言葉で表現するようにしました。

急に用事ができて大変だと思うけど、私とは違う日にいつでも遊べるんだから気にしなくていいからね!

こんな風に伝えてあげていれば、安心して過ごしていただろうと思います。

他の場面でもたくさん感情表現するように意識しています。

あなたに〇〇してもらえたから、今すごく嬉しい気持ちだよ

今日はやることがいっぱいあったから忙しかった。疲れた~!

今私はこんな気持ち」というのをこちら側が発信しておけば、変な誤解をされないで済みますよ。

肯定的な言葉を使う

話をするときは「〇〇すると□□という良いことがある」という明るい結果をイメージできる言い方をしましょう。

「~はダメ」「~はありません」「~はできません」という否定的な言葉ばかり使うと、どんどん落ち込んでいきます。

そんな考えだからいつまでもダメなんだよ!

少し考え方を変えるだけで、いい方向に向かうと思うよ。

薬なんで飲んでないの?飲まないと治らないよ!

薬を飲んだら体が楽になると思うよ。

できていることを褒める

統合失調症の症状が進行していくと、今まで当たり前のようにできていたことが出来なくなったり、時間がかかるようになります。

そんな姿をみるとイライラしてしまい、できていないところばかりに目が向くようになるでしょう。

しかしこんな時こそ、できている部分に目を向け、褒めてあげましょう。

「今日は自分で起きれたんだね。すごいね!」

「今日は外に行けたね」

「ご飯作ったの?すごいじゃん!美味しいよ。」

「今日は落ち着いて過ごせていたね。」

褒めることに対してハードルが高いと思われるかもしれませんが、褒める内容は些細なことでいいのです。

プレッシャーを与えない

体調が良い日は活動的になったりしますし、安定期に入ると出来ることも増えますが、周りが過度に期待してしまうと、かえってプレッシャーになって症状が悪くなってしまうこともあります。

「頑張れ」
「〇〇ならできるよ!」
「もっと〇〇してみたら?」
「仕事再開したら?」

こんな声かけは危険です。

当事者のペースで社会復帰していくことが1番望ましいので、応援したり催促しないようにしましょう。

慌てない・動じない

薬を服用している方の場合、副作用により急に手が震えたり、眼球が上を向いて痙攣っぽくなります。

そういう症状が出たときは、他の薬を服用すると落ち着くことが多いので慌てず接してあげましょう。

今薬持ってる?飲んで落ち着こうか。

と声掛けしたら安心すると思いますよ。

もし薬が無い場合は、人気が少ない静かな場所へ移動して、安静にさせてあげましょう。

適度な距離感で関わる

接し方とは少しずれますが、心配するあまり関わりすぎてしまうこともあるかと思います。

当事者が過去の辛かった話や、病気の苦しさを語ることがあります。

長時間ずっと話の聞き役になったり、会話を続けてしまうなどしてませんか?

そうするとサポート側の気が滅入ることもあるので、適度な距離感で関わることをオススメします。

・話を聞くなら時間をある程度決めておく

・当事者に質問しすぎない

・根掘り葉掘り聞かない

・できる部分はサポートしなくてOK

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